おもたせの使い方、間違ってない?正しい使い方とおもたせの選び方

「おもたせ」という言葉を耳にしたことがあると思います。「なんか年寄りくさい言葉~。手土産でいいじゃん」……そんなふうに思う人もいるかもしれませんが、「おもたせ」はエチケットにも関係する言葉。そこで今回は、この「おもたせ」という言葉について、意味や正しい使い方を知っておきましょう。
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1:おもたせの意味は手土産とは違う?

「おもたせ」という言葉は、お土産を携えて訪問したシーンで使われます。では「手土産」とはどう違うのでしょうか?

(1)「おもたせ」は「御持たせ物」を略した言葉

まずは辞書で正しい意味を確認してみましょう。

《「御持たせ物」の略》来客を敬って、持ってきた土産物をいう語。多く、その客へのもてなしにその品をすすめるときに使う。「お持たせで失礼ですが」

[補説]近ごろでは、客が持ってきた土産物を受けた側からいうのではなく、「このお菓子がお持たせに最適です」のように、客が持って行く手土産の意で使うことが増えている。

〈出典:小学館デジタル大辞泉〉

御持たせ物から派生した言葉なのですね。もともとは、「持ってきていただいたもの」を指していた言葉であり、つまり受け取る側の視点から見た言葉ですが、近年では、持参するもの全般を指すにも使われています。

(2)「手土産」はちょっとしたもの

「手土産」と意味が近いということもあり、こちらも正しい意味を確認してみましょう。

人を訪問するときに持っていく、ちょっとしたみやげ。

〈出典:小学館デジタル大辞泉〉

こちらの解説は非常にあっさりしたものですね。

(3)エチケットとして必要な言葉?

「おもたせ」という言葉は、「御持たせ物」の略とありますから、「手土産」に比べても、非常にていねいな表現と言えるでしょう。

そこから考えても、お土産に関する、エチケットとして重要な言葉であると理解できますね。

 

2:おもたせの言葉の正しい使い方と例文

(1)本来はもらった人が使う言葉

先ほどの辞書に、「多く、その客へのもてなしにその品をすすめるときに使う」と記されていることから、「おもたせ」はお土産を持って行った人ではなく、もらった人が使う言葉とわかります。

この点から、持参するお土産に使う言葉は「手土産」で十分となりそうですね。

(2)おもたせで失礼ですが…

そうなると、「おもたせ」の使い方はどうなるのでしょうか。

例えば、相手が買ってきてくれたお土産のお菓子を、一緒に食べるようかシーンはよくあります。そんなときに、お土産をいただいたほうが、持参してくれた側に対して、「おもたせで失礼ですが……」と言いながら差し出します。

また、人にお茶菓子を出すときに、自分が買ったものではなく、人からいただいたものを出すという場合にも、「おもたせのいただきものなのですが……」と使ったりもします。

(3)手土産の丁寧な表現として

先ほどの辞書に、最近では「このお菓子がお持たせに最適です」のように、客が持って行くときに使うという説明がありました。

つまり現代における「おもたせ」は、手土産の丁寧語として、もらう人ではなく、持参する人が使うことも多くなっているようです。

 

3:東京・大阪で違う?お菓子のみ?おもたせの正しい選び方

(1)東京では体裁を整えて…

東京の場合、体裁を気にするため、包装紙ひとつ取っても気配りが重要。老舗で買った菓子類など、多少、見栄を張ったほうがいいかもしれません。一方、大阪は実利を重んじるので、見栄を張る必要はありません。梅田の阪神百貨店で売っている「イカ焼き」が鉄板という声もあります。

(2)お菓子が無難

「おもたせ」は、必ずしもお菓子でなければならないという訳ではありませんが、その場で文字どおりの「おもたせ」となることを考えれば、そのまま食べることができるお菓子が無難と言えるでしょう。

「半沢直樹シリーズ」の作者である池井戸潤の小説では、銀行員がお詫びに伺うときに「まんじゅう」を持っていくシーンがよく出てきます。これは“丸く収める”という意味を込めるためとか。シチュエーションや贈る相手によって、品物を選ぶことは大切です。

(3)「おもたせ」のタブーは?

「おもたせ」のタブーとして以下のものがあります。

・切り分ける必要があるもの

・相手の近所で購入したもの

・高額すぎるもの

切り分けるのは相手の手間になって大変ですし、相手の近所で購入したものは、相手が軽くみられたと思うかもしれません。また高額すぎるものは相手が恐縮してしまうので、おもたせには避けるべきでしょう。

 

4:「おもたせしました」って?

実際の名物料理などが手土産として登場するグルメ漫画「おもたせしました」(作者:うめ)を読むと、「おもたせ」の本質が理解できるかもしれません。

主人公の寅子は、取引先や友人知人をよく訪ねる日々を送り、生きがいは訪問先に必ず手土産を持って行くこと。いつも手土産をごちそうされることになってしまうのですが、そのおいしさを人々と共有するところが微笑ましく描かれています。

 

5:まとめ

日本は「お・も・て・な・し」の国です。「おもたせ」というのも、日本特有の文化のひとつと言えるかもしれません。いずれにしても、相手を敬う意味も含まれているため、贈る側ももらう側も、気配りが大切と言えるでしょう。